生地のタテ・ヨコと設計のコツ

 製品としてのタテ・ヨコは、どのように使われるかで決まる。一方、生産時のタテ・ヨコは、どのように作られるかで決まる。つまり、生産時と製品時でタテ・ヨコが変わることもある。では、どのようにして、生産時のタテ・ヨコを決めるのか。

1)生産性

 生産性は、織機の性能により決まる。「開口」、「杼打ち」、「筬打ち」という一連の動作を1分間で何回できるか。これが織機の性能(生産速度)である。この数値が大きいほうが速い。
(400回/分や1200rpmなどと表現)
※織ることの3つの基本要素が、「開口」、「杼打ち」、「筬打ち」です。
こちらも参照
 そのため、タテとヨコで糸の密度が異なるときは、経糸の密度を高く、緯糸の密度を粗くしたほうが生産の効率が上がる。つまり、糸の密度の高い方をタテにすることになる。
 ただし、あまりにも経糸の密度が高く織れないことがある。この場合には、密度の高い方をヨコにする場合もある。

2)レピート幅

 織機の幅は、ほぼ上限が決まっている。そのため、ヨコ方向の柄のレピート(柄の繰り返し単位)は、織機幅よりも大きくできない。そこで、大きなレピートが必要な時は、レピート方向をタテ方向とする。例えば、カーテン、のれんなどの場合で、この方法が使われる場合がある。
※和装の帯などを除くと、織機幅で1レピートとする仕様は、ほとんどなく、織機幅で数レピートとする仕様になっている。この時、レピートの繰り返し数を「釜」(かま)と言う。繰り返しがなく柄が幅全体にわたる場合を「一釜」と言い、繰り返しが8回あれば、「8釜」と言う。

3)製法上の制約

 異なるテンションで糸を制御するため、複数の経糸を別々に整経し、別のタマとし、織機に取り付け、製織することがある。この方法を用いるときは、異なるテンションが必要な方向をタテとする。
 例えば、「サッカー」、「わな織り」などがあり、サッカーでは、テンションの異なる縞がタテ方向になる。また、わな織りでは、わながタテ方向になる。
※タマ:経糸を等間隔に、一定の長さに円筒状の木などに巻きつけたもの。
2種類の糸を用いる場合は、それぞれの糸からタマを作り、2つのタマを織機に取り付ける。このようなことを「二重玉にする」という。同様に、3種類の場合は、「三重玉にする」というが、使用はまれである。

4)デザイン

 経糸、緯糸どちらかの一方の色が共通で、残りの糸の色を変えたい場合は、共通色をタテ方向とし、ヨコ方向の色を変えることで対応することがある。
 異なる糸を経糸にした場合は、2回整経し、生産(製織)することになる。
共通の色を長く整経し、緯糸を変えることで対応するほうが、工程が少なく、生産性が向上する。

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