いろいろな撚糸機の特徴

【リング撚糸機】

構造:給糸ボビン、リング、トラベラー、スピンドル、巻取りボビンからなる。
原理:糸はリングの縁を動くトラベラーを経て、スピンドルに取り付けられた巻取りボビンに巻き取られる。この時、スピンドルの回転と糸の張力で、トラベラーがリングの縁に沿って回転し撚りがかかる。トラベラーの回転数はスピンドルの回転数よりも小さく、この回転数の差の分だけ撚りがかかり、巻取りボビンに巻き取られる。
特徴:交撚糸に適し、撚りが均一で甘撚りに適するが、バルーン張力は変動する。

【イタリー撚糸機】

構造:給糸ボビン、フライヤー、スピンドル、巻取りボビンからなる。
原理:給糸ボビンを回転させ、糸はフライヤーを通し上向きに引き出して、撚りをかけ、巻取りボビンに巻き取られる。
特徴:撚糸速度が低く生産性は低いが、省エネであり、多種多様な素材に対応可能。高撚り数にも対応。小ロット撚糸が可能。バルーン張力は変動する。

【ダブルツイスター】

構造:給糸ボビン、フライヤー、中空スピンドル、回転ディスク、巻取りボビンからなる
原理:給糸ボビン(磁石の力で停止して回転していない)から糸を中空スピンドルに通す。糸は、回転ディスクを出る時に撚りがかかる。さらに、糸を上に引き出しバルーンを形成する時にも撚りがかかる。つまり1回転で2回の撚りがかかる。
特徴:生産性が極めて高い。さらにラージパッケージに対応することができ、糸の結び目の数を減らせる。バルーン張力は均一であり、撚糸機の主流になっている。甘撚りから強撚まで利用される。

初稿2020/06/23

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