繊度の表記方法はなぜ2つあるのでしょうか?

 繊度の表記方法には、恒長式と恒重式とがあります。その使い分けは、フィラメント糸では、恒長式を用い、紡績糸では、恒重式を用います。
 では、なぜ、異なる2つの方法があるのか考えてみました。と言っても、今回の記事は思いつきです。文献に基づいていません。

恒長式:絹をイメージしてみます


 繭から糸を繰糸する場合、繭の重さを測定しても、それが糸の重さになりません。繭の中に蛹があり、糸を繰るまでに捨てる部分があります。繰糸して、ボビンに巻きつけ、その後、綛にして、初めて【綛長さ×回転数】で長さがわかります。この綛の重さを測定します。
 綛が「重い」ということは、繰糸した糸は「太い」ということになります。このように一定長さあたりの「重さ」での表現になるのではないでしょうか。つまり、恒長式となります。

恒重式:綿をイメージしてみます


 糸を紡ぐ前にワタ(ワタ打ち後)の重さが測定できます。ここが絹の場合と異なります。これを手の感覚で、一定の太さに紡いでいきます。同じ重さのワタから紡いでも、人によりできる糸の太さは違ってしまいます。綛にして、長さを測定します。
 糸が「長い」ということは、その人の紡いだ糸は「細い」ということになります。このように一定重さあたりの「長さ」での表現になるのではないでしょうか。つまり、恒重式となります。 

糸の太さを制御する因子


 絹では、太さを制御するのは繭の個数です。繭何個でどのくらいの太さの糸ができるかがわかります。この考え方は工業化しやすく、手作業の座繰り機から機械製糸まで、原理は同じです。
 一方、綿では、太さを制御するのは手の感覚です。この手紡ぎの方法(ワタを引っ張りながら撚りをかける方法)では工業化しにくいため、現在の機械紡績の方法(トウを揃えて引き伸ばし撚りをかける)に取り入れられていません。 

初稿2021/01/15