これは、「はり」とか「分解針」などと呼ばれるもので、生地分析のための道具です。
分解針の用途
この分解針の用途は、
①生地から糸をはずす
②糸をしごき、糸を分けることで、顕微鏡観察用の試料を作成する
③撚り数を測定する場合、ある程度糸が分かれてきたら、写真の様に分かれた部分にこの針を差し込み、糸を完全に分けます。
①②はピンセットを用いる人もいます。写真の分解針は、割り箸と縫い針での手作りですが、金属製のものが、製品として販売されています。
手作りする理由は、自分専用の分解針として、自分の持ちやすい長さに割り箸の部分を切ることができるからです。
プロとしての手入れ
さらに、分解針の針先は、耐水ペーパーで研いでおきます。そうしないと、針の部分が糸にひっかかり、糸をきれいにはずしたり、分けることができません。実体顕微鏡で観察すると研いだものと研がないものの表面は凸凹具合が違います。
余話として:ピンセットの先もプロは研いで使っています。まず、しっかリと両端が重なるとように調整してから、先を、研ぎます。そのため床に落としてしまうと、ピンセットが刺さります!(落とすと、当然、研ぎ直しです)
初稿2017/09/30 改正2020/08/15