ナイロン(Nylon)の語源は、発明者のカロザース自身がnihil(ラテン語で「虚無」の意味)から造語したと聞いています。
また、俗説のたぐいではありますが、ナイロン開発当時、アメリカでは、絹靴下の原料をほとんど日本から輸入していたので、日本の絹(生糸)をアメリカ産のナイロンで駆逐するために、以下の頭文字をとったとの説があります。
「Now you lousy old Nipponese !」(古い日本製品はもうだめだ!)
「Now you look out, Nippon」(日本よ、さあ見なさい)
ただ、その当時、日本の事を「Nippon」と言うことがあったのでしょうか? この点が疑問です。
一方、学生時代に私が聞いた説は、日本の生糸を駆逐する目的は同じですが、当時、生糸の輸出を所管する農林省(Nolin)を逆さから読んで、「Nylon」としたものです。
これを聞いて、アルファベットでは、「i」と「y」は同じであるし、逆にするのは、追放の意味と考えれば、あり得る話として聞いた記憶があります。
また、当時の軍事用のパラシュートは絹製であり、これも、ナイロン製に変わっていきました。輸入品の「絹」を国産の「ナイロン」で駆逐するというのは当時のアメリカの方針とも思えます。
農林省はから1925年に設立(前身は農商務省)、ナイロンの合成は1932年ですから時代的にもあっています。
英語圏の文化として、相手を「呪う」ためにスペルを「逆さ」にするという行為が一般的であったかを英語に詳しい人に聞いてみたいと思っています。
初稿2020/09/18