革新織機

 革新織機とは、レピア織機以降の新しい織機を指します。革新織機の革新的な点はどこにあるのでしょうか?
まず、前提として、シャトル織機では、シャトルの中に一定量の糸をほぐれやすい形状にして入れる必要があります。つまり、糸を一定量で切断し、管【くだ】と呼ばれるものに巻き直す作業(作業としては管巻き)が必要です。管のないもの(この形態は、コップと呼ばれます)も開発されましたが、巻き直す作業は必須でした。
革新織機の革新的な点は、この巻き直す作業を不要にしたことです。そのため、緯糸用のボビンの糸がなくなるまで、織機を止めずに緯入れが行われます(糸切れは除く)。

革新織機の機構

 では、どのような緯入れ機構を持つ織機が開発されたのでしょうか?
① 小型の金属パーツ(グリッパー)で、糸を飛ばして、緯入れを行う「グリッパー織機」
強調すべき点は、グリッパーはシャトルの小型版ではなく、糸を巻き直す必要がない点です。
② 槍状のパーツで、糸を受け渡して、緯入れを行う「レピア織機」
③ 空気や水の噴射力を利用し、糸を飛ばして、緯入れを行う「エアージェット織機」や「ウォタージェット織機」

これらの織機は、いずれも糸を巻き直すことなく緯入れができます。糸をボビンの量まで使うことができることが革新的であり、開発当時の織機と区別するために「革新織機」と呼ばれるようになりました。

初稿 2024/06/01