品質管理のために、堅ろう度試験が行われています。それは良いことなのですが、白い生地(染めていない生地)でも試験をすることがあります。例えば、白いレース生地のドライ堅ろう度試験では、落ちるべき染料がありませんから結果は良好です。
白を例外とすることなく堅ろう度試験を行うのが一般的なようです。しかし、これでいいのでしょうか?
白い生地(染めていない生地)に対する堅ろう度試験は、耐光試験と水滴下だけで十分だと思います。
ここで、耐光試験は、加工剤や油剤等の残存物が光により変色しないか確認するためのものです。この場合、加工剤等が透明から黄色や茶色へ変色することが一般的です。(照射量が増えると、天然繊維やナイロンでは、生地の素材自身の変色が生じることがあります。それよりも少ない照射量で、生地に変色が生じるならば、加工剤などを変えるなどの対応を考えなくてはなりません。)
また、水滴下試験は、加工剤や油剤等の残存物が輪染みにならないか確認するためのものです。
以前、上記の様なブログ記事を書きましたが、私の書いた文章が通じたのか、最近、見た試験項目一覧では、洗濯堅ろう度、ドライ堅ろう度のところに「染色してないものは試験不要」と注釈が入るようになっていました。もしこのブログの内容で改善されたなら、こんなにいいことはありません。
初稿2013/02/08 改正2025/07/18
