乾式と湿式
以前、『いろいろな撚糸機の特徴』で書きましたが、撚糸機にはアップ式・ダウン式と違った別の分類があります。それは、「乾式」と「湿式」です。
前述の撚糸機は、全て乾式です。湿式は日本固有の「八丁撚糸機」あるいはそれを改良したものです。この機械は、絹の強撚(ここではmあたり3000回前後)のための専用機というべきものです。
湿式にする理由
絹の場合、糸が硬く、糸に撚りをかけても入らないことがあります。そのため、絹糸のセリシンの部分を濡らすことで膨潤させ、軟らかくし撚りを入りやすくします。さらに、撚糸後はセリシンが乾き、そのまま固まって、撚りを固定する働きがあります。
初稿2021/02/04