草木染めで緑を染める ~堅牢度よりも色合い~


 草木染めの欠点の一つに色があせやすいことがあります(耐光堅牢度が低い)。そのため、比較的、堅牢度が優れている染材が選ばれて用いられています。

緑を染める技法

 草木染めで、緑を染める技法として多く用いられるのは、青と黄色の重ね染めです。青は藍を用います。黄色の染料としては、苅安【かりやす】や黄蘗【きはだ】がありますが、刈安の方が、色があせにくく実用的です。黄蘗は日光により茶色がかります。色合いは、黄蘗の方があでやかです。これは、黄蘗が蛍光を発する染材だからです。一般には、蛍光を発する色はあでやかにはなりますが、色はあせやすいと言われています(耐光堅牢度が弱い)。

堅牢度よりも色合い

 しかし、堅牢度だけが染材選びの理由にはならないこともあるようです。例えば、古代の方法として、新緑の山々の芽吹きのような緑に染めるために黄蘗を使用したそうです。

 刈安は比較的日光も強いので実用的な染料ですが、黄蘗は日光に当てるとすぐに茶味の色に変わります。中略 黄蘗染は蛍光があり、光が当たると布の中から色が湧きでてきます。藍と重ね染めすると新緑の山々の芽吹きのようなわくわくする萌葱色に染まり、このような色を古代の人々も好んだのかもしれません。」

引用文献:【延喜式の色を再現する3 古代黄染と緑染の技法/山崎和樹氏「染織情報α」2015年9月号】

無媒染の方が、黄色みが強い

 引用文献の中で、黄蘗は無媒染で使用しています。私も黄蘗で染色したことがありますが、無媒染とアルミ媒染を比較すると無媒染の方が、黄色みが強い様に感じました。無媒染は堅牢度が悪いので、明るい色の場合はアルミ媒染を使用しますが、これも色合い優先ということなのでしょう。

色があせることに寛容だった?

 藍と黄蘗の組み合わせで染めた緑色が好まれたこともあるとは思いますが、色があせることに対して、昔の人の方が寛容だったのではないでしょうか?
 草木染めでは、色があせるのはあたりまえであり、その場合は、染め直し、そのこと自身を楽しんだのではないでしょうか。

ブラックライトで蛍光を確認できる

 また、暗いところでブラックライト(紫外線ライト)を照射すると蛍光が確認できます。あでやかな色の場合は、この様にして蛍光の有無を確認できます。

初稿2015-08-23 2022-04-07改正


この記事はわかりやすかったですか?

コメントを残す